小説家篇

小説を読むという行為は歌を聴くという作業に比べると時間と集中力を要するため、歌ほど手当たり次第には数をこなせません。そのため歌以上に自分の好きな人を見出していく必要があります。

私の生涯は読書と共にある、といった感じですが、先ず小学生のときにはまったのが那須正幹著『ズッコケ3人組』シリーズです。当時の私は小学校の図書室に一日3回通って、平均4冊ほど消化してましたが、ズッコケ3人組は6年間の間に複数回借り、最後には購入するに至りました。

中学校の時も引き続き読んでいたズッコケ3人組に加えて、ゲームドラゴンクエストの小説版にはまっていました。これの作者は高屋敷英夫と久美沙織。ルビス伝説から始まるドラゴンクエストシリーズは今読み直しても充分に楽しめる傑作です。

高校時代の出会いはそれまでとは桁が違いました。
高校時代に読んだ本、及び買った本の数は軽く4桁を超えます。高校に入って初めて貰えることになった月の小遣いに加えて、図書室の蔵書の量。その中でも未だに共に歩み続ける二人の作家だけを紹介します。

先ず最初の出会いは夢枕獏餓狼伝でした。その後、涅槃の王、魔獣狩り、キマイラ、を代表とする長編に、神々の山嶺、混沌の城、上弦の月を食べる獅子といった短編集を買い漁り読み耽りました。

その後無責任シリーズで有名な吉岡平との出会い。図書室で借りた無責任シリーズ第一部のあまりの面白さに出会ったその日に9冊読破、次の日に無責任シリーズの既刊約40冊を一気に購入しました。無責任シリーズへのはまりようは尋常ではなく、富士見無責任シリーズ完結直後には、朝起きてから次に眠るまでの間の全ての時間を読むことのみに費やし、40冊超を一日で読了したことも有るほど。その後段々熱が冷めてきたものの、現在も吉岡平の著作のおよそ9割程度は保持しています。

高校卒業後も本への欲求はとどまることを知らず、次々に新たな人を探し続けました。

この時の一番最初の大きな出会いはグループSNEロードス島で広く知られるグループSNEの中で、私がもっとも愛したのがソードワールドです。短編集リプレイ集の全てを読破、行きがけの駄賃とばかりにSNEに関わる本は読む暇も無く買い漁り、実際未だに読めていない本が100冊を超えるものの、ソードワールドだけは飽きることなく何度も読み返しています。現在連載中の新・ソードワールドリプレイに至っては既読回数が2桁を超える勢い。元SNEの水野さんへの執着心が無くなっている今、一番ホッとなのが秋田みやびです。

ここ数年で最も大きな変革は読む出版社が変わったことでしょうか。それまではスレイヤーズや無責任艦長を初めとする富士見ファンタジア文庫をメインに読んでいたのですが、ブギーポップは笑わないを代表とした電撃文庫を読むことが増えていき、それまでは夢枕作品を除いてほとんど読むことがなかった講談社の作品を読むことが増えました。

最初は京極夏彦、そして森博嗣。彼らに連なるものとして、メフィスト賞受賞作をただ只管に読み続け、現時点でのメフィスト賞受賞作保有率は60%を超えています。その中でも現在特にはまっているのが森博嗣浦賀和宏西尾維新の3人。高田、霧舎、古処といった面々も素晴らしいのですが、やはり俺の中でのメフィスト賞トップ3は前述の3名です。そして、これら全ての頂点として京極夏彦が君臨し、影の王としては上遠野さんの事件シリーズの存在があります。上遠野さんとの出会いは高校時代にブギーポップを読んだことに端を発しますが、ブギーポップへの熱が冷めてきた現在、事件シリーズの存在が上遠野さんの最大の存在意義です。

今回挙げた作家はいくつかの例外を除いて著作数がある程度の数がある人ですが、実際は彼ら以外にも高畑京一郎という至高の作家や、ここ1.2年の間にどっぷりとはまってしまった今野緒雪、一時期はまったあかほりさとる、娯楽の殿堂神坂一といった忘れることが出来ない人も複数いるのですが、それを述べると3日3晩語っても終わりはしないので、今回はこれぐらいにとどめることにします。