御行奉為

後巷説百物語京極夏彦

巷説百物語シリーズのおそらくは完結編。
明治維新後、文明開化の時代に語られる魑魅魍魎の説話。
語るは一白翁なる隠居老人。
その内にて今も滔々と聞こえる言葉。

『御行奉為―――』


京極作品の読みやすさは相変わらず凄まじいものがある。
書いてる言葉の意味がわかりにくかったり今は使われぬ漢字がそこらかしこに使われてたりとするわりに、文章が上手すぎるので流れるように読むことが出来る。もっとも量の多さも極め付けなので、今回は途中で一夜あけることになってしまったが。

段々と明かされていく謎が最後に全て集約する手際はデビューから変わらぬ手法なれど、此処まで上手いとマンネリにもなれない感じがして脱帽するより他になし。あのラストから考えて、流石にもう巷説百物語を紡ぐことはないと思うと残念である。

正直此間読んだ探偵小説を軽く凌駕する面白さであった。