2冊

新本格魔法少女りすか 2』西尾維新

大抵誰にでも『目的』というものはあるわけで、それが父親探しだったり復讐だったり世界征服だったりと人の数以上に目的はあるものです。とはいえその目的を達成できる人間というのは極々僅かなわけで、そのためにはたゆまぬ努力や才能や運や他人の力、などなど色々な要素が必要になるわけです。本作の主人公である創貴とりすかの場合は年齢不相応の頭脳や覚悟や経験や魔法や血液なんかの力をもってその目的を成し遂げようとしています。もっとも目的の前には障害がつきもので、今回現れる障害はかなり半端じゃないものだったりするんですが命がけになるのはいつものことだったりするので大局的には大したこと無いような気がしないでもありません。

西尾作品の面白さは絶対にいないような個性溢れすぎるキャラクター、とんでもない世界観、冗長なんて言葉じゃ物足りないぐらいに冗長な台詞まわしなどなど色々あるわけですが、本作品でもそれらの要素は見事に発揮されています。ただ魔法少女ものが好きな人が受け入れれるのかどうかってところは微妙というか絶妙というか、なんTもコメントに困るわけですが。

(☆☆☆★)


『神仙酒コンチェルト』字野耕平

どんなものでも数が少なくなればなるほどほしがる人間は増えるわけで、世界中に溢れ返ってるときは誰も見向きもしなかったものでも、それが希少なものとなれば欲しがる人は増えるものです。それがダイヤとかプラチナとか言う実質的には何の意味も無いものでも希少というだけでみんな欲しがるのだから、普段日常的に嗜んでいる酒やタバコといったものが規制されることになれば、それと反比例して需要はのびることでしょう。本作は過去のアメリカ、早い話が禁酒法時代のアメリカを舞台にした作品です。あざの作品といえばDクラで、Dクラといえば怪しげなドラッグですが、デビュー作でもある本作は怪しげな酒がキーワードです。賭博狂いの有能ギャングと早撃ち自慢の大馬鹿ギャングと馬鹿親父を持つ不幸な格闘少女がメインキャラとなりギャング相手に密造酒で荒稼ぎするのが本筋ですが、デビュー作とは思えない見事なかけあいや戦闘描写はさすがです。短編ということでシナリオを練りきれなかったせい、というのもあるのでしょうが、少々ストーリー的にはレベルが低い感じはするものの、超傑作であるDクラと比較しての話なので充分平均点は超えている作品です。あざの耕平ファンならおさえておきたい一冊。

(☆☆☆★)