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ネコソギラジカル (上) 十三階段 (講談社ノベルス)
ネコソギラジカル 上』西尾維新

自分という存在のせいで他者にどれだけの影響を与えることになるか、といったことを考えたことがない人間なんて存在しないでしょう。と断言できるのは俺自身が結構頻繁にそのことを考えているからなんですけど。俺にかかわることによって良い影響を受けた人も中にはいるでしょうけど大抵は悪い影響を受けているんじゃないかと確信しています。なぜなら無理やり客観的に見た場合俺が人に良い影響を与える要素はとことんまでに絶無だから。それはそうと一人称の小説というのは三人称で構成されたそれに比べてキャラクターへの感情移入がしやすくなっています。例えば本作の主人公であるいーちゃんこと戯言遣いの彼は思考も嗜好も志向も指向も戯言的で、全てにおいて戯言なわけですが、そんな彼の一人称を延々と読み続けてるうちに全てが戯言めいて感じてしまいます。設定上いーちゃんはこの世の誰にでも似ているということで、案の定というか俺自身同一視してしまう部分が多々あるわけですが。これまでの作品では徹底的に何もしなかったいーちゃんは自分を敵と認める最悪とであった後の本作においても徹底的に何もしていません。しかし何もしようとしなかったこれまでに比べると何かをしようという意識の芽生えはあったりするわけなので実のところ何もしていないというわけでもないような気がしないこともありません。といっても何もしてないんですが。佳境に入ってるはずの物語の割りに新キャラ旧キャラ目白押しで一体あと1000ページ未満(多分ね)ぐらいでどう収拾つけるのかが予想も出来ない戯言シリーズは、当然今後も目が離せないわけですが、一つだけ確実にいえることは、いくらなんでも前回からたった二ヶ月しかたってないのに再読しちまった本作品の感想を改めて書くことなんて俺にはできないぞ、ということだったりします。

(☆☆☆☆)