新刊ばっか

『新ソード・ワールド⑨ 挑め!捨身の大決戦』秋田みやび
新ソードワールドRPGリプレイ集(9) 挑め!捨身の大決戦


何がおこるかわかんねーから人生は楽しいんだ。
とかいう言葉は誰しも一度は聴いたことはあると思いますが、それは別に人生に限らず小説でもゲームでも格闘技の試合でもギャンブルでも、とにかくこのよにあるありとあらゆるものに対していえることです。例えば小説というものは作者自身の意思の元好き勝手に作れるものではあるものの、読者の反響だの、通称キャラクターが勝手に動くなどの現象により結局のところ誰にも予想の出来ない進み方をすることになる場合が多々あるわけで、だからこそ作られた物語であろうとも面白いわけです。その中でも最たるものがこのRPGというもので、大本のシナリオはマスターが組むとはいえ実際に話を進めるのはプレイヤーの諸君であり神の意思ともいえるダイスの目でもあります。だからこそ何がおこるかわからない面白さが極限にまで高められるわけなんですけど。

といったところで現在俺のもっとも愛するシリーズであるへっぽこ冒険者。ひたすらにへっぽこな冒険を続けている彼らの面白さといえば、やはりそのへっぽこさと本編となんら関係ないトークのやりとりの二点につきるでしょう。そこらのお笑いタレントを軽く凌駕した漫才的トークの数々は俺の心を魅了して離しません。そんな彼らも気づけば冒険者レベル6となり、これをもって最終巻・・・の予定だったのですが、そんな呆気なく終わるようじゃあへっぽこ冒険者とはいえないわけで。数々の偶然が相まったことで生じた驚天動地の展開のおかげ(?)で次回でファイナルということになったようです。これこそRPGの醍醐味って感じで個人的には拍手喝采って感じなんですが、プレイヤーサイドからしたら洒落になんねー事態なわけで。一体この事態をどう収拾つけるのかが非常に楽しみでもあり恐ろしくもある今日この頃なのです。

(☆☆☆☆)

『ディバイテッド・フロント Ⅲ この空と大地に誓う』高瀬彼方
ディバイデッド・フロント (3)


絶望的な状況に追い込まれて、生きてる暇あったらさっさと死んだほうがマシなんじゃねーかと思うような時にさっさと死ねる人間というのは自分の意思を貫き通した強い人間なのか生きる希望すらもてなくなった弱い人間なのか。死のうかなあと思ったことはあっても冗談抜きで絶望的な状況にまで追い込まれたことの無い俺にはなんともいえないわけなんですけども。

ところでこのシリーズの主人公たちはハッピーエンドなんて絶対に訪れることの無い世界の中で最も過酷な場所で戦いぬいている恐るべき人たちです。戦っても戦っても敵はどんどん沸いてくるし、戦って得られるものといえば一瞬ともいえるほどに短い安らぎだの危機的状況においての恋愛感情だとかいうものぐらい。そんなわけだからそういったものに興味が無いならさっさと自殺しちまったほうが楽だと断言できる、といいたいところなれどそういった状況に陥ったことのない俺がそんなことを断言するわけにはいかないってのが実情なのです。

作品のテーマがテーマだけに幾らでも戯言を述べることはできるんですがそれも無意味なので本作品の感想に移りましょう。
本作では絶望的状況下における少年少女及びおっさんの心情が見事に描かれています。同時に絶望的状況下における戦闘描写や絶望的状況下における人間関係だとか、まあつまりは絶望的状況下における数々の事象が描かれているわけです。全てが一人称なので各キャラの各キャラに対しての思いをトレースしているだけで興奮もできるし苛つきもします。洒落にならないほどシビアな戦いが見たいやつには絶対お勧め。
これで完結ってのは少々ざんねんなんですが、今後かれらがあの空の下でどういうふうに戦いぬいていくかどうかは読者一人一人が好き勝手に想像すればいいんだなということで納得しましょう。

(☆☆☆☆)

『ゆらゆらと揺れる海の彼方 ④』近藤信義
ゆらゆらと揺れる海の彼方 (4)
政略結婚。
昔なら国家間だの貴族間でかわせれてた政治戦略の一つですが、現在の日本においてはせいぜい企業間の経営戦略のためにあるぐらいでしょう。正直利益のためだけに結婚させられるなんてのは個人的にはごめんですが、その相手が美少女で気弱で一途でこっちにべた惚れだったりするならば利益なんて無関係で望むところって感じになるのは男として当然ですよね。残念ながら政略結婚の道具にされるよていは生涯ないんですが。

基本的にはファンタジーなんだけどやってることは一大戦記ものであるところの本シリーズ。今回は戦争の裏の花形とも言える政略結婚がテーマ。政略結婚による双方の目論見だとかその道具にされる両者の気持ちだとか。それに加えてお家騒動なんかもスパイスに加えられつつ今回も非常に面白く出来上がっております。ただまあいつものこととはいえ作中で大して目立ったことをしていないノウラが表紙では一番目立つところにおかれてるってのが多少気になるわけですが。今回はゆらゆら史上最萌えである同盟国の王妹がご登場あそばれることに相成りました故に次回以降のご活躍が非常に楽しみになったのでございますことよ(変な言葉まわしだな)。

(☆☆☆☆)