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バッカーノ! 2001 The Children Of Bottle』成田良悟

笑うってのは全ての感情の頂点に位置するものであり、怒りも悲しみも憎しみもその存在の前では霞んじまう。人を怒らせることも悲しませることも憎ませることも笑わせることに比べたらお茶の子さいさいというか、赤子の手をひねるよりも容易だ。だが笑わせるとなるとそうはいかねえ。つっても人間ってのは負の感情のイメージを強く残すっていうどーしょーもねえ特性があるからそうは思わないんだろうが。

バッカーノシリーズの始まりは2002年の夏の回想だが基本的には1930年代のマンハッタンが舞台だ。だが今回は始まりより前だが普段よりは大分後の2001年が舞台。仲間を探して旅をしているマイザーら4人の不死者が、悪魔すら驚かせるスマイルジャンキーに会いに行くのが今回の話。そこでは全ての人間に迫害される何人かの女の子がいて、まあ色々と大変な目にあってる。バッカーノシリーズでも異色の本作は、まあ正直ちょっと読んだだけで大体の展開は見え見えになっちゃうんだが、膨大な登場人物の在庫を見事に絡めてくる見事さは相変わらずで、充分に楽しめる作品に仕上がっている。ちなみに一番面白かったのはカラー口絵の大馬鹿コンビのトークだったりするわけなんだが、まああいつらを超えるキャラは存在しないから仕方ないな。ああ、それとこれだけ読んで今更言うのは遅い気がするけど、この作品は絵が素晴らしい。これほど作品に似合った絵はそうそうないぞ。

(☆☆☆★>