.hack

.hack//Another Birth vol.1 感染拡大』

一時期俺の期待を一身に集めたり失望させたり見直させたりした.huckシリーズの柱の一つであるゲーム版のノベライズ。
単純に小説化するのは珍しくないが、本作ではヒロインであるブラックローズの視点で物語が展開される。
カイトと別行動をしている時のブラックローズの様子や、リアルでのブラックローズの姿が余すことなく描かれている。
自分のせい(と本人は思っている)で意識不明になった弟、そのせいで壊れていく家庭、部活のレギュラーに選ばれたことで始まったいじめ、などなど色々な困難に立ち向かうブラックローズの様がなんとも素敵である。
既に.huckの内容自体を殆ど忘れている俺なので、結構新鮮に読むことが出来た。
まあシリーズ中一番すきなのはゲームじゃなくてsignなので、あっちのノベライズのほうがうれしいんだけれども。

(☆☆☆★)


.hack//Another Birth vol.2 悪性変異』

.hackというゲームの魅力が何かと問われれば、ネットゲームを髣髴とさせる作品だから、と答えるのが先ず第一だろう。
とはいえ、それはゲーム発売当時、今ほどには3Dのネットゲームが普及していなかったからこそである。
今となっては.hackよりもフィールド、イベント、敵、アイテムなどが優れた作品が多く存在するので、.hackを選ぶ理由はない。

そこでゲーム以外の魅力を考えると、メディアミックスによるマルチアングルの追求があげられる。
時間、視点、リアルとゲームという要素を上手く絡み合わせることで、互いに不足した状況を補い、それを併せる事で事象の真の意味に少しずつ近づいていくことが出来る。

本作品ではゲームと同じぐらいに、リアルの描写が多い。
それが、ブラックローズというヒロインに深みを持たすことに一役買っている。
ゲームの主人公であるカイトと最も多く行動を共にすることになったブラックローズ。
彼女が何を思い、何をしたのかが、本作を読むことでよくわかる。

といった感想は本来vol.1の時にするべきだったんだろうけど、今そんなことを考えてしまったのでvol.2の感想にかえさせていただく。

(☆☆☆★)