2冊

『ヒトクイ』御堂影彦

本能的に人を食うことを定められたヒトクイなる種に纏わる話。
主人公は3年前に最愛の恋人を食ってしまったヒトクイ。
登場人物は人を食うことを禁じる組織に従うヒトクイとか組織に反抗している組織に従うヒトクイとか人間とかどっちつかずの奴とか。
ミステリー要素やアクション要素を盛り込みつつ、全編を通じて問いかけているのはヒトクイが人を食ってはいけない理由は何かというもので、これはつまりは人が人を殺してはいけない理由は何かという根本的な問題を暗喩しているものではないかと考えられる、なんてことは今思っただけで読んでる間は全然思わなかったが。

色んな要素をふんだんに練りこんでいるのはライトノベルとしての基本中の基本ではあるが、そのどれもがなんとなく中途半端に感じられる作品であった。ミステリー部分は真っ当すぎて即座に答えが予測できたし、アクション部分はなんとも疾走感に欠如していたり面白みがかけたりしている。面白いっちゃあ面白いんだが、諸手をあげて褒めれるほどではない、といったところ。

(☆☆☆★)


ネコソギラジカル(中) 赤き征裁vs橙なる種』西尾維新

相変わらず全く先が読めない戯言シリーズ
ある程度読み進めて展開を予測して、多少その通りに進んだと思った次の瞬間には全ての前提が無理矢理に崩されて予測は崩壊。
そんなことが延々と繰り返されて、もう先読みはやめようかと思った途端に誰がどうかんがえても次の展開が予測できるような流れになって、案の定その予測は的を得ている。ここまで思いどおりにいかねーのは人生ぐらいなんじゃなかろうかと思いながら読んでいると、なんともいえないアンニュイな気分になったりならなかったり。

ついに次巻で完結となる戯言シリーズのセミファイナルである本作は、相変わらず七転八倒で救いようはどこにもない。
誰がどう考えてもバッドエンド一直線というか、ある意味トゥルーエンド一直線というか。
やはり全く解消されていない伏線がかなーり残っちゃっている現状なんですけど、どこまで収拾つけるのか非常に興味深い。
とりあえずファンなら読んどけファンじゃないならファンになってから出直してきやがれ、といった感じで最後を待とう。

(☆☆☆☆)