読みすぎ

ソード・ワールド短編集 へっぽこ冒険者と緑の蔭』 秋田みやび

アレクラストの中原である4つの国を舞台にした短編集。
御馴染みヘッポコーズ、ペラペラーズ他2編の合計4編。
ペラペラではベルカナの過去についてセンチに描かれていて、次の作品ではファンドリアの闇が描かれ、続いてはちょいと間抜けな冒険者達が描かれ、最後にはヘッポコーズ初期メンバーであった二人の活躍が描かれています。

今回のお気に入りはやはりヘッポコーズをメインに据えた『へっぽこ冒険者と緑の蔭』
イリーナ達がラムリアースにユニコーンを届けにいった時、その裏側で地味に戦っていたノリスとガルガドサイドのお話です。
自分の未熟さに思い悩みつつ、なんとかしようと奮闘するノリス&ノリーナのがんばりっぷりがなんとも微笑ましく、彼らしいものとなっております。

152冊目(☆☆☆☆☆☆☆☆)


『新ソード・ワールドRPGリプレイ集 (10) 名乗れ! 今こそ大英雄』秋田みやび

長かったへっぽこシリーズもついにクライマックス。
最後ってことでオーフェンでおなじみの最強夫婦がゲストキャラに登場したり、へっぽこ史上最強の敵と接戦を繰り広げたりと見所充分。
コボルトにすら苦戦していた彼らの戦いをここまで一緒に見つめてきたファンならば大満足間違いなしのこの一冊。
とりあえず彼らとはお別れだけど、またそのうち再開する日が来るだろうから寂しさとかはなかったり。
いくら強くなっても本質的な部分では変わることの無い、最も庶民派な英雄である彼らの日々に幸あらんことを。

153冊目(☆☆☆☆☆☆☆☆☆)


『新ソード・ワールドRPGリプレイ集NEXT (4) ファンドリア・ファンクション 』藤澤さなえ

名前だけは過去数十年の間に何度も出てきたけど、その実情は謎で覆われていたファンドリアを舞台にペラペラーズがちょっと活躍。
悪知恵と敏捷度にかけては歴代のパーティーの中で最高値を誇る彼らにこそファンドリアは相応しいってな具合に、色々と大きな問題を起こしつつも適当に駆け抜けていっちゃいました。
まあ今回のメインは頬を染める執事とか夜中にアベックと一緒の部屋にいる独身ドワーフだとかいう、本質的にはどうでもいいキャラクターたちに纏わる下ネタ満載な出来事だったりするのがちょいとアレなんですけどね。

154冊目(☆☆☆☆☆☆☆)

『憂鬱アンドロイド』真島麿言

自分をアンドロイドと信じる極普通の少年と、やさしく彼を見守る憂鬱な少女の物語。
大事なものを喪失した悲しみに自分を対応させるために記憶と感情を封じた彼が出会うのはどうにも納得できない環境の中で生きている少年少女たち。何よりもやさしく何よりもかなしい彼と彼女に触れることで変わっていく彼彼女の青春真っ盛りなところがなんとも甘酸っぱくてこそばゆい感じでした。

シナリオが特に良いわけでもなくキャラがものすごく立っているわけでもないんですが、設定も心理描写も中々好みな作品でして、期待していたよりは楽しめました。

155冊目(☆☆☆☆☆☆☆☆)


『僕らはどこにも開かない』御影瑛路

衝撃の問題作とか銘打たれた本作品。
確かに文面が少々粗かったり血みどろだったりいかれてたりはしますが、別に衝撃を受けるほどでもなく問題作というほどでもありませんでした。

自分という概念を構成するのは自分よりもむしろ自分という存在が在る環境そのものである、というのは極々当然なことで、自分の意思なんてものはあってないようなもの。誰もが誰かが作った妙なルールに縛られていて、誰かに影響を与えたり与えられたりしながら窮屈に生きているわけで、そこから抜け出したいなら仏陀の如く全ての者から解脱しなくちゃあ無理。そんなこと誰にも出来ませんけど。

みたいな感じのことを少々言葉汚く表現した作品、という風に俺は捉えてるんですけど、他の人がどういう風に捉えるかは知りません。
特別ものすごい作品じゃないのは確かだけど、個人的には結構好きでしたよ。

156冊目(☆☆☆☆☆☆☆★)


神様ゲーム宮崎柊羽

人間を創造して以降、やること無くて暇で仕方なかった神様が人間相手にゲームを持ちかけた。
世界中から自分を探し出してその名前を呼んだ者を楽園にご招待、というルールだが範囲が広すぎてどうしようもない。
仕方ないのでどんどん範囲を狭めて行った神様がそのフィールドとして選んだのは日本にある一つの高校。
神の捜索はその生徒会の面々に一任されるが、実は彼らはもう一人の神様のゲームにも巻き込まれており・・・。

といった内容の本作品でデビューとなった宮崎柊羽
魅力的で多彩なキャラクター、オリジナリティーあふれる楽しそうな学校生活、シリアスとユーモア、友情愛情の入り乱れた見事な構成と可愛いキャラクターデザイン。それら全てが高次元でまとまっていて、ライトノベルとして文句のつけようのない出来。
正直なところどこかで見たような場面やどこかで見たようなキャラクターが満載といえなくもないが、それらが見事に生きているこの作品は傑作と評しても間違いではないだろう。

絶対これはシリーズ化してくると思うので、かなり期待しようと思う。

157冊目(☆☆☆☆☆☆☆☆☆★)