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わたしたちの田村くん』竹宮ゆうこ

何のとりえも無い地味な主人公がなぜかいきなり美少女二人に告白されて嬉しいような辛いようななんともいえない学園生活を描写し続ける作品と思って読んだら大体そんな感じだったので拍子抜けすることもできなかったような作品。ってかこれはラノベっていうよりギャルゲのノベライズです。滅茶苦茶可愛いけれど不可思議な言動を繰り返す美少女同級生とひたすらツンドラ型だけど突然豹変したかのように自分にアプローチをかけてくる美少女。こういうのは実際には殆どお目にかかれませんがギャルゲにおいては烏合の衆といってもいいぐらいに良くいるタイプです。といってもキャラクターデザインの良さと相まってこの二人のヒロインはとてもとても可愛くて仕方なくて、特にツンドラ型の方の豹変した態度に俺はメロメロ(死語)なんですけど。

まあ真面目に内容紹介すると、この本は主人公の中三の夏休み直前から夏休み後半あたりまでを描いた『うさぎホームシック』と主人公が高校受験をしてから入学した直後ぐらいまでを描いた『氷点下エクソダス』と、次巻以降で絶対に主人公につきまとう一人になることが確定してそうな美少女の短編で構成されております。

この作品の面白みがなんだろうと2秒ほど考えてみたところ、ある女の子を滅茶苦茶好きになってしまうところのほろ苦さと、それなのに他の女のことも気になって気になって仕方ないという雄らしさと、そんな自分の不甲斐なさというか情けなさが嫌で嫌で仕方ない自業自得さを兼ね備えちゃってる主人公の苦悩だとか猛烈具合だとか、そういうところがまず一つ。次に特殊すぎる性格の二人のヒロインがそういう性格で生きることになったバックボーンの深さというか切なさというか、そういうのの上手さが二つ目。他にも幾つかあるきがするけど流石に打ちながら考えるのは二つで限界なのでとりあえず前述の二つってことで。

まあ評判どおりかなり面白かったので良かったですよ。

202冊目(☆☆☆☆☆☆☆☆★)