武器屋

『七人の武器屋 レジェンド・オブ・ビギナーズ!』大楽絢太

第十七回ファンタジア長編小説大賞佳作受賞作。

ちんけな詐欺で小銭を稼いでいるフリーターコンビをはじめ、掃除人、天才鍛冶屋、嫁入り前、などなど合計7人の若者が怪しさ100%のチラシに踊らされて共同武器屋経営者となり次々と振ってくる災難(というかほぼ自業自得)に立ち向かっていくドタバタギャグファンタジー。

『いや、普通だまされないだろ』というぐらいの詐欺に引っかかるわ、全然マーケティングしようともしないわ、商売の何たるかを全くわかってない無知な若者描写が逸品。阿呆な奴らをだますのはこういうふうにするのかー、とかちょっと感心しちゃったりも。でもま、そこはこれの主眼ではなく、この物語を通して作者が言いたいことは『間違ってもいいから環境をかえてみると自分の新しい一面がみえるかもねー』ということらしく、全編を通じてそれが見事の描かれています。

ギャグセンス良しキャラクターの掛け合いもよしでストーリーの起伏も充分。
世界観というか各武器屋が、そのまんま日本の店(某古本屋とか某レンタルビデオショップとか)の職種をちょいと変えてみました、という感じなところとかも笑えます。

『自分探し』ということを考えたら完全にこれで完結している作品ですが、いくらでも話の作りようはありそうなので、多分続編が出るだろうし、それに期待したいと思います。

321冊目(☆☆☆☆☆☆☆☆☆)