戯言遣いも撃ち抜けない

ザレゴトディクショナル西尾維新

昨年一応の完結を見せた『戯言シリーズ』の辞書的一冊。
西尾維新本人による15万文字に及ぶ書下ろしにて、シリーズの舞台裏をなんとなはしに完全公開。
とはいえ、秘密とか詳細不明とかいうなんとも納得しがたい記述が異常に多く存在したりするので、正直全然完全公開ではないが。
内容としては登場人物や登場場所や登場事象などに関しての西尾維新本人の思いが主なもので、どのキャラを何と対応させて作ったかだとか、その名前の意図するものが何か、とか、そういったものが多い。
本文中に出てきていないような設定に関してはほとんど書かれていないし、よって名前だけ出て姿は欠片も現さなかったような人物に関して新しい何かが判明するということも基本的にはない。つまり、解説書や副読本などというものではなく、あくまでディクショナルな一冊なのであるので、ファンなら目を通しておくべきじゃねーかと思います。

121冊目(☆☆☆☆☆☆☆☆)


砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない桜庭一樹

引きこもりの兄の面倒を見つつ真面目に中学生活を営む社交性がやや低めの少女と、自称人魚である謎の美少女転校生との全く心が温まらないノットハートフルな絶望物語。
障害だの斬殺だの虐待だの首切りだのといった、爽やかさとは一切関連性を持たない事象で構成されており、それに歪んだ友情や歪んだ愛情といった添え物がつけくわえられている。
ただ読んである間、なんか心のすげぇ弱い部分に直接何かをぶつけられてくるような気分がずーっと付きまとってくる作品ではある。

作品の構成としては、冒頭で全てが終わってしまい、それを追っていくという、まあありきたりな形式ですがすげぇ上手いです。

122冊目(☆☆☆☆☆☆☆☆☆)