繰り返すセカイ

『ラキア』周防ツカサ

何の変哲もない少年少女が『7月1日』という一日を何度も繰り返す物語。
4編からなる短編連作である本作は、それぞれが其々にとって『7月1日』を何度も繰り返していく。
ずっと恋している彼女と一緒に何度も同じ一日を同じ公園で過ごす少年。
一日がループするまでは何の関係も無かった少女と一緒に日々を過ごす少年。
親の故郷に里帰りし、そこで出会った自殺志願の少女と何度も『初めまして』の挨拶を交わす少年。
姉貴の友人との共同生活にとまどいながらも普通に毎日を過ごしていく少年、そしてリピートしている少(?)女。
全てが巻き戻ってしまう世界で唯一存在する同じ境遇の異性(一編例外あり)との日々が、彼と彼女の何かを変えていく。

『インサイドワールド』で俺の心を鷲掴みにし、『ユメ視る猫とカノジョの行方』で少し手の力が緩んだ感じだったが、この『ラキア』で再び手の力がアップ。個人的にはSFっぽい雰囲気をなくした小説を書いた方がこの人は上手いって気がするんだが。兎に角、これは続編もあるようなので楽しみに待とう。

125冊目(☆☆☆☆☆☆☆☆☆)