夏のある日とLAで

『サマー/タイム/トラベラー1』新城カズマ
『サマー/タイム/トラベラー2』新城カズマ

とある田舎町に生きるちょこっと人より並外れたIQをもつ極々普通の少年少女と、その友人である3秒だけ時間跳躍が出来る少女との最後の夏の物語。
作者本人がSFらしいSFを書きたかったらしく作中に古今東西のあらゆるSF作品が羅列されてみたり哲学的というか観念的というかSF的というか、ぶっちゃけ何いってるんだか全然理解も出来ないような発言を登場人物が言い続けているのが難点だったのですが、なんとも少年少女らしい思考描写だとか物語り自体の構成は面白かった、とはいえ語り部である主人公がこの時点の主人公ではなくて、語られている物語上の出来事を大分昔に経験し終わっている頃の主人公なために各所に思わせぶりな発言が散りばめられすぎているのが少々見苦しく感じたので微妙といえば微妙でした。

まあ可も無く不可も無く。

190〜191冊目(☆☆☆☆☆☆☆☆)


DEATH NOTE ANOTHER NOTE ロサンゼルスBB連続殺人事件』西尾維新

一部は傑作二部は駄作と多くの人に言われつつ、いやいやこれは月が堕ちていくさまを見事に描ききった傑作だよと擁護する人も結構いたりと、マジで賛否両論であり俺はどちらかというと否気味なんですが、まあそれはどうでもいいです。今回重要なのは西尾維新によるデスノートのノベライズ、という一点であり大元のデスノートがどれほど傑作でどれほど駄作なのか、なんていうことは根本的な部分では問題になりえるものの現実的な部分では何の問題も無いわけなので。

ということでデスノート
これは世紀の天才探偵Lがキラ事件に関わる数年前に解決したロサンゼルスBB連続殺人事件をLの後継者の一人であるはずだったMことメロの手記という形で語られた作品です。とはいえ実質的な主人公はちょこっと出てきて読者の心を捉えてあっというまに退場させられた南空ナオミその人。正直原作のイメージが思い切り崩れるような人物描写になっている・・・といいたいところですが脇役と断言しても問題ないぐらいの登場時間で消え去った彼女に対してのイメージが固まりきってるわけではないので問題なし。なんつーか、まあデスノートという題材をいかして西尾維新が自身の魅力をそのままに純粋気味かつキャラクターものっぽいミステリに仕上げた感じなので満足です。

192冊目(☆☆☆☆☆☆☆☆☆)