最後の夏に見上げた空は

『最後の夏に見上げた空は2』住本優
『最後の夏に見上げた空は3』住本優

最後から二番目の夏が過ぎ去り、最後の秋と冬と春が遺伝子強化兵達に訪れる。
生まれたときから最後の日が確定している彼彼女達には其々の大事な何かがある。
それを見つけることに人生をかけ、幸運にもそれを得られた人、不幸にもそれを失った人、悲しいことに何も見つけられなかった人。

この物語の主人公は、かつて『最後の日に一緒に過ごしたい人』を見つけたが(以下重大ネタバレ)記憶を失い、彼との新しい日々を送っている。互いに不器用で口下手なうえに重石ともいえる過去を背負ってるせいで中々自分たちが最初から抱えている真実の思いに気づくことが出来ないでいるが、その日々は幸せなものだったと最後の時には互いに感じられていたことはとても幸せだったんだろう。

小説として読んだら描写や展開にちと疑問はあるものの、こういった世界観を作り出し、尚且つその世界で必死に生きる少年少女を見事に描けていることは評価に値する。遺伝子強化兵達が何人いたのかは知らないけれど、その短い生涯を必死に生き抜いた皆が幸せな最後を迎えられたことを心から祈り、感想を終えさせてもらおう。

213〜214冊目(☆☆☆☆☆☆☆☆☆9