超読書日和!

『ブルースカイ』桜庭一樹

死にたくなるぐらいの青空の下、3つの箱庭と3つの青空と一人の少女を巡る物語。
ラノベっていうよりは文学的な余韻の漂う作品なんだが、とりあえず面白くは無い。
なんとなく共感できたり出来なかったり理解できたり出来なかったり。
3つの世界を下敷きに物語を作ってるわけだが、短編であるが故に全ての描写が中途半端な印象を受けたりも。
悪くないといえば悪くないが、俺にとって桜庭一樹はただのキャラ小説作家である部分が非常に多いので良くは無いなあやはり。

215冊目(☆☆☆☆☆☆☆)


灼眼のシャナⅩⅢ』高橋弥七郎

此間から続いていた学園祭当日に起こった事件の完結篇。
そしてそれぞれの登場人物の覚悟が定まったり見失ったりする分岐点でもある。
段々と悠二に力がついていき、街を出ない大きな理由がなくなると同時に、街を出る理由もなくなることとなる。
物語的には佳境って感じで続々と様々な裏事情が表に出てる感じはするものの根本的な部分での着地点がいまだ見えてこないので終わることはなさそう。
後今回特筆すべきはやはり第二次性徴前に契約を結んでしまったシャナがその生涯において全然教育されることがなかったとある知識に関連したやりとりについてだろうか。
久々にシャナの常識のなさっぷりが拝めたのは眼福の至りであった。

216冊目(☆☆☆☆☆☆☆☆)


『お留守バンシー③』小河正岳

精霊とか魔女とか淫魔とか妖精とかが出てくるお留守番シリーズその3。
前回の騒動の数日後からスタートし、今回は魔女のグループの最大勢力によるサバトがアリアの守る城で行われようとする。
そこでは遥か昔に封じられたとされる魔人を復活させるための器を探す令を魔女中に下すための話し合いがもたれる予定だそうで。
魔女が一人来ただけで城の玄関口が崩壊したというのに、それが後12人も来るとなると一体どうなるんだろう、と不安恐々のアリアとその仲間達はどうにかしてサバトをとめようと某所に潜伏中のマスターを頼るのだが。

というのがメインストーリーなんだが、それ自体に費やす時間は全体の半分ぐらいで、後はいつもどおりにダラダラと楽しそうだけど大変そうな城での一日が描かれています。なんかボチボチギャグ要素に特化した短編なんか読んでみたいなあとか思ったりもしてるんですけど。とかく、気楽に読むのに最も相応しい一冊って言う風格が漂ってきた感はあります。

217冊目(☆☆☆☆☆☆☆☆)


『ラキアⅡ』周防ツカサ

前回は『反復世界』に迷い込んだ高校生達を描いていたこのシリーズ。
今回は一日を遡り続ける『意識遡行』という現象に巻き込まれた二人の高校生を巡る物語。
同じ一日を何度も繰り返し続ける、という状況も実際遭遇したら悲惨だとは思うが、一日が終わると前日に飛ばされるという理解不能な現象に巻き込まれるのは更に悲惨なのではないだろうか。
一日を終えて眼を覚ました次の日は、その時の自分が翌日に経験することになる一日の次の日に当たるため、前日の自分が何をしていたのかがさっぱり理解できない。遡行が始まった直後ならいざ知らず、時間が経てば経つほど自分の記憶と自分以外の状況との齟齬が広がっていくことになる。まあそれに関しては本文参照だが。

今回は連作短編ではなく長編であるため描写がいつもよりしっかりしている印象を受ける。
ただ、今起きている現象及び宇宙の構造についてなどといったSF的な描写がこれまでに増して多いので、そこを噛み砕けないと辛い気はする。
かなり判りやすい感じで書かれているので問題ないとは思うが、面倒だと思う人にはあまり進めれない。
が、正直今回はかなあああり面白く読めたので、俺個人の意見としては傑作認定である。

218冊目(☆☆☆☆☆☆☆☆★)

れでぃ×ばと!』上月司

『カレとカノジョと召喚魔法』シリーズで俺を感動の嵐に巻き込んだ上月司の新シリーズ。
元超お嬢様学校に新設された従者育成科に転校してきた見た目不良少年がかつての幼馴染とか直情型お嬢様ドリル仕様とか超絶天然ドジっ娘メイドなんかに翻弄されまくる、なんとも低脳差が漂うラブコメめいたちょいエロ作品。
物語の構成自体は結構面白いし主人公のキャラとヒロインのキャラはいいんだが、どっからどう見ても女にしか見えないが一応今のところは男って話になってる同居人とか、確定的なツンデレっ娘であるところの貴族ドリルとか、いやいやドジるのは100歩譲って認めるとしてもその発言とか行動とかはありえねーだろうがなぁっていいたくなるぐらいのドジメイドとか、流石に狙いすぎた感じが漂いっぱなしの構成に絶望した!
俺が上月さんに求めているのはキャラの面白さではなく物語としての面白さなのでこの見え見えの構成はちと残念。
まあ世間の萌えヲタを捕まえるための撒き餌としてこれを使い、今後ステキな物語性で俺を楽しませてくれることに大期待なんですが。
キャラが気に喰わなかった以外には特に文句は無い状況なので、一応様子見です。

219冊目(☆☆☆☆☆☆☆★)


レジンキャストミルク5』藤原祐

『無限回廊』との戦いを繰り返したことで、日常と非日常との境界が曖昧になってきた晶。
それを自覚した直後、クラスにいかにも怪しげな双子の転校生がやってくる。
これまでにない直接的な戦いを強いてきた『無限回廊』の策により友人達をその戦いに巻き込む羽目に。
言い逃れもごまかしも通じない最悪な状況を向かえ、ついに『無限回廊』の目的が果たされる。

今回は自身の立ち位置を再確認してみたり隠し通していた欺瞞が明らかになったりと終焉に向けて突き進む。
シリアスはもちろんのことだが、ギャグの方も前回に比べたら結構な割合を占めているのでいい感じ。
最終決戦に至るために必要な条件も残り少なくなってきた感じなので、こっから先は更に見逃せない展開になること必至。
一体何処まで俺を楽しませてくれるのだろうか。

220冊目(☆☆☆☆☆☆☆☆☆★)


とらドラ3!』竹宮ゆゆこ

これって前後編だったっけなー、といいたくなるぐらいに絶妙な引きで終わった前巻の直後よりスタート。
勃発し続けている虎VS二重人格モデルの戦いの火は収まることなく燃え盛り続けていく。
そんな中、学生生活夏の部における一大イベントであるプール開きが敢行されることに。
水着購入プール開き初日などなどといった基本イベントを大小の騒動を交えつつ消化し、ついには王道ともいえる水泳勝負に至る羽目に。
何気に泳ぎを極めた感のある二重(略)に対し水に顔をつけることすらままならない野生の虎。
二人の戦いの行方やいかに。

といった感じで第3巻。
段々と良い関係を作り上げてきた竜と虎ですが、二重人格モデル登場依頼のいざこざによるストレスが溜まりに溜まってお互い大爆発。
常日頃から犬同然の扱いされてる竜ですから、まあ爆発するのは当然といえば当然なんですが。
つか、最近こういった周囲に振り回される系のラブコメが非常に氾濫してる状況なわけですけど、個人的には好きなジャンルではなかったりします。
その不幸な状況に対して流されたり流されなかったりしつつ、強い信念と挫けぬ拳を握り締めて何度も何度も立ち上がるような主人公の生き様を全面に押し出してくる場合は例外なんですけど。
で、今回はその例外に引っかかってくれたので非常に楽しめました。
というかラストの水泳勝負の素晴らしさはとてつもないレベルでして、展開的に面白いは読んで顔がにやけてにやけてにやけて仕方ないって言うか。
やはりこの作品は人前では絶対に読んではいけない作品だったりするわけでして。

そういう感じで今回も大満足な出来。
次回は恐らく夏休み別荘編になりそうなので、これまでにない短期間且つ濃密な時間を楽しめそうで超期待。

221冊目(☆☆☆☆☆☆☆☆☆★)