ジャミング

『ラジオガール・ウィズ・ジャミング』深山森

あらゆるメディアの放送が禁止されている街で、毎夜海賊放送が行われている。
J.O.L海賊放送局を名乗る一人の少女と一人の男は、謎の怪人として街の噂にあがっている。
とかいいつつ、誰も彼もその正体をバッチリ知ってたりするところは、まあご愛嬌。
そんな二人の前に立ちはだかるのは新しく街に配属されてきた歴戦の大尉さん。
初めての強敵登場に苦労する二人だが、そんな問題が霧消してしまうほどの一大事件に巻き込まれることとなる。

人類史上最大に肥大しているメディアですが、今後それが膨らみ続けていくのか収束していくのかはわかりません。
が、とりあえず断言できることは『明日から全部のメディア廃止ね、破ったら死刑』とか世界中で言い出した途端とてつもない勢いで人類中がパニックに陥るだろうなーってことで。
そりゃまあアフリカ奥地だとかアマゾンの真ん中だとかに未だ他の文明とぜんぜん交流をもっていない、いわゆる定型的な感じの原住民族の村とかでは然程問題ない状況だろうけれど、ネットワークがある程度発達した都市程になるとメディアとの隔絶は世界との隔絶と同義になるんじゃないかなーと推測できたりします。我らが日本国においては、その真偽はさておき必要と思った情報はPC立ち上げてネットに繋いで適当に検索かけただけで自分が望む以上の量を数秒で得ることができる状態。一日や二日その環境から離れることぐらいはできても、未来永劫無理なんていわれたら、まあ狂うか暴れるわな。

とかいう戯言はさておき、この物語は愛に溢れた物語です。
クライマックスのところで軽く涙ぐんだ俺が言うんだから間違いない。
特に誰にお勧めっていうように対象を限定すべき作品でもないし、全員読めって言うほどすげぇ作品でもないってことは確かですが、俺の心にはピンポイントで突き刺さりました。
益体も無い感想以下の散文になりましたが、まあそういうテンションな俺が書いたってことで見逃せ。

228冊目(☆☆☆☆☆☆☆☆★)