読み終えたら午前二時

撲殺天使ドクロちゃんです』おかゆまさき

ドクロちゃんが話題になりだした頃、知人に進められてどうにか一冊だけは読みきったものの、読み終えるまでに何度も本を投げ捨てたくなり読後感も最悪ってぐらいにどうしようもなく俺にはあわない作品だということを理解できただけだった。
で、これはそんなドクロちゃんの公式アンソロジー集みたいなもので、話の最初と最後を原作者が書いて、そこ以外の部分を他の作家やらアニメ監督やらが書く構成。
寄稿している作家の大半のファンであるところの俺は、まあ一応読んでみるかなと血迷ってしまったので読んでみた。
結果としては後悔はしてないが別に得もしてない感じというか。
確かに面白い作品もあるにはあったが元の作品がつまらん以前に性にあわない以上、どれだけ面白くても評価はがくんと下がってしまうわけなので。

そんな感じなので、書いてる作者のファンかドクロちゃんのファンでもない限りは読む必要はありません。

236冊目(☆☆☆☆☆☆☆)


『邪魅の雫』京極夏彦

京極堂シリーズ3年ぶりの新刊。
江戸川、大磯、平塚の三つの地で連鎖するように発生し続ける毒殺死体。
状況に窮する警察や、平和な土地を脅かす狂気の事件に殺気立つ住人。
其々が其々の役割を持ち事件にかかわり続ける中、ついにあの男が動き出す。

今回の肝は『世界』という、広くもあり狭くもあり定まっているようで定まっていない不定形なもの。
誰もが其々に持っているが故に本当の意味では他の誰とも共有することが出来ないもの。
それを他者と共有する場合は『世間』や『社会』といったものと名を変えることになる。
その微妙な概念によって全てが狂い、憑き物が生まれ出でるのである。

まあ、大体そういう感じ。
残念ながら、どうやら京極堂シリーズのピークは蜘蛛だったようで、あのときほどのカタルシスは味わえませんでした。
とはいえ絡みに絡みまくった事件が見事に再構築される様は見事というしかなかったのですが。
傑作ではなく秀作、そういった作品です。

237冊目(☆☆☆☆☆☆☆☆)