俺自身比較的異物

『扉の外』土橋真二郎
修学旅行に行くはずだった千葉紀之が目を覚ましたときそこは密室で、しかもクラスメイト全員が閉じ込められていた。
現状を知らせる人工知能ソフィアが言うには世界は滅び彼ら選ばれた小数の若者のみがシェルターに収納されることとなったらしい。
たった一つのルールを守りさえすれば衣食住に不自由することなく生存し続けられると告げるソフィアに対して嫌悪感を覚えた千葉紀之は、即座にソフィアの庇護を否定してしまう。
閉ざされたサークルの中、唯一の異物となってしまった彼は日々押し迫る違和感の果てにとある決断を下すが・・・。

とかいう上記の文章はほぼ表紙裏のあらすじの模倣。
ギャグ要素皆無、ラノベ的キャラクターが登場する以外は至極真っ当な『ゲーム』の名を借りた哲学的小説。
人という種が持つ『帰属意識』ともいうべき本能、そして避けて通れぬ『戦争』というなの必然。
『ゲーム』という名の仮想世界で巻き起こる人が持つ根本的な問題を描いた、ともいうべき作品。
最初から最後まで気を抜く暇無き名作である。
63冊目(☆☆☆☆☆☆☆☆☆)