濫読

バッカーノ!1934完結編』成田良悟
タイトルどおり3冊にわたってお送りした1934年編のラスト。
単体で見ても過去最高の頁数なうえに、前二冊で煮詰めまくった全ての要素を混在/凝縮する結果となったため、入り乱れようも過去最高レベル。
次々に現れる登場人物、次第に明らかになる事件の全容。
当然のように盛り上がり続ける登場人物たちのテンションも相まって俺の心も猛りっぱなし。
自分を見失ったキャラも自分を持ち続けるキャラも全員が全員必至こいて騒ぎ続けた末に終わる1934年。
更なる狂乱を思わせつつ、見事なまでに今回の事件自体は収束を向かえたとさ。
とりあえず今回は人間なのに人間以上な奴らの格好よさが非常に際立った感じのエピソードだった、とだけ付け加えておこうか。
92冊目(☆☆☆☆☆☆☆☆☆)


刀語 第四話 薄刀・針』西尾維新
作者自身本文中で言い放っていることでもあるためネタバレ覚悟で書いてしまうが、今回のタイトルは羊頭狗肉とでもいえばいいのか、殆ど薄刀・針とは関係が無い。
実質的には虚刀流家長であるところの、前日本最強鑢七実について延々と綴られているだけといっても過言ではないような巻である。
元から人外な強さを誇りすぎるキャラが続々と登場するシリーズではあったものの、今回明らかになった七実の実力は、いうなればどこぞの赤い最強さんに勝るとも劣らないがどちらかというと劣るんじゃないかなー多数決で、というぐらいのレベルである。
とはいえ一応弱点らしい感じのものも存在してはいるため攻略自体はどうにかなりそうではあるのだが、それはそれとしても今回の巻は3ヵ月後に刊行されるであろう7巻の壮大な伏線でしかないともいえよう。
肝心の現日本最強錆白兵との戦いは、どこぞの武士沢レシーブで使用された年表に匹敵するほどの適当さだったのでちょいと残念ではあるものの、この巻単品で見た面白さは一応基準のレベルを超えれてる感じなのでよしとするとしようか。
93冊目(☆☆☆☆☆☆☆☆)


とある魔術の禁書目録⑫』鎌池和馬
魔術サイドからの信仰により陥落目前の学園都市。
たった一人で都市機能の殆どを沈黙させた魔術師を食い止めるため幻想殺しを持った一人のレベル0が立ち上がる。
同時期、唯一の守るべき存在であるラストオーダーを守るため制限された最強であるところの一方通行はかつての自分を取り戻し狩猟部隊、そしてその糸を操る首謀者を駆逐するためにショットガンを杖代わりに立ち上がる。
大事な何かを守るため、異なる思いを胸に、相反する二人の主人公が学園都市で自らの命をチップに戦う。
コメディー描写皆無、最初から最後までノンストップのバトル展開。
危うい均衡で保たれ続けた大局的な意味での世界平和すら脅かされかねない規模の大事件。
さてさてセカイはどうなるのやら。
94冊目(☆☆☆☆☆☆☆☆☆★)


リリアとトレイズⅥ 私の王子様<下>』時雨沢恵一
リリアとトレイズ』シリーズのクライマックス・エピソード完結編。
上巻での伏線の全てを回収、ついでにシリーズ自体の伏線というか重要となりそうなポイントも結構回収。
リリアとトレイズ、二人の関係自体は決着を迎えることはなかったけれども、まあまだまだ若い二人なので今後どうなっていくのかは俺達の想像で補えばいいのかなーと。
一応これで一旦はシリーズ自体終了、という形にはなっているようだけれどもこの作者のことだから唐突に書き出すかも。
ともあれ、いつもみたく淡々と綺麗にブラックなステキな一冊に仕上がっております。
でもまあやっぱ前シリーズである『アリソン』のほうが俺は好きかなあ。
95冊目(☆☆☆☆☆☆☆☆★)シリーズ通算


Fate/zero 2 王たちの狂宴』虚淵玄
冬木の街に消しきれない爪痕を残した第四次聖杯戦争
全てのマスター/サーヴァントが出揃い、最初期の顔見せが終了した1巻を継いでの今巻。
各々の目的を果たすため自身の取れる最善/最悪の方策を持って敵を駆逐すべく暗躍するマスター達。
逆転した主従関係/歪んだ形の主従関係/断絶された主従関係/客分紛いの主従関係/正統な形での主従関係、様々な形の主従関係の構築。
激化していく闘争は勢いを増し続け、定められた終末に向けて加速する。
相変わらず見事過ぎるアクション描写と破天荒なコメディー描写の融合が逸品。
今回のサブタイトルでもある『王たちの狂宴』が、まさかあのような形を見せるとは。
結果を知るが故、それに至るまでの道筋が楽しみでならない本シリーズは、紛れも無く正統なるFateである。
96冊目(☆☆☆☆☆☆☆☆☆★)