電撃まみれ

『時空のクロス・ロード最終譚 一番列車は朝焼けに』鷹見一幸
何気に長かった時空のクロス・ロードシリーズ最終作。
三日熱により荒廃した世界の『以前』と『以後』が舞台。
滅んでいく最中、そして再生していく途上。
鉄道マンに憧れる一人の少年の物語。
ここにきてメッセージ性も最高潮に達するものの、物語としての統合性がようやく高まったというか。
正直シリーズで一番楽しめたともいえる出来上がり。
変に世界を行き来することなく、純粋な仮想世界物として読めたのが大きいのかも。
相変わらず頭の悪い会話の応酬なんかにはげんなりさせられたが、まあ終わりよければ全て良し。
128冊目(☆☆☆☆☆☆☆☆)シリーズ通算


れでぃ×ばと!?』上月司
恒例の新キャラ登場&夏休みイベント突入。
いつもどおりにドタバタな巻き込まれ型ラブコメなんだが、ここにきて面白さが更に加速。
俺が作者に求めているストーリー性はまだ出ていないものの、なんとなくその片鱗がうかがえてきたり。
新キャラの魅力は中々のものだし、既存のキャラたちも段々と描写が深まるにつれて魅力的に感じてきた。
とはいえ登場キャラや発動イベントはどれもこれも既存のものに毛が生えた程度のものでしかなく、二番煎じ的な印象を当然のように受ける。
それなのにこれほどの満足感が得られるというのは、作者自身の構成力が俺の好みに合致しているせいなんだろう。
今後の期待が非常に強くもてるシリーズである。
129冊目(☆☆☆☆☆☆☆☆☆)


『シリアスレイジ6 十星強襲』白川敏行
クライマックス目前。
『タニガニーアの悲劇』から連なる悲劇の数々も間もなく終息を迎える。
あの事件の真相が明らかになり、そして最強のハンター達が表舞台に名乗りを上げる。
明らかにインフレしっぱなしの戦闘バランスをどう収拾つけるんだろうとか凄い不安になりつつも、残すところも後一冊。
正直広げに広げた風呂敷を無事に畳めるとは到底思えないんだが、盛り上がってることは盛り上がってるので期待して次回を待つ。
130冊目(☆☆☆☆☆☆☆☆★)

『扉の外?』土橋真二郎
前作と舞台と学年は同等、但しゲームの室とエリアの階層とクラスが別。
重要キャラクターが多少被ってる以外は全くの別物といえる。
やってることは前回同様、というより更に性質が悪くなった自分自身を賭けたゲーム。
更に人間の深い部分に突っ込んだ内容となっている・・・つか、昨日まで読んでたクロスロードシリーズを彷彿とさせるような。
極限の情況に置かれることで普段変わってる体外的な自分を脱ぎ捨て、本質的な人間の姿をむき出しに争うというのがどれほど醜いものか。
実際自分が同じ立場にたったらどう動くのかなあ・・・とは思うものの、彼らより大分歳をとってしまっている自分には厳密なトレースは不可能だったり。
しかしこのシリーズの全体像は二冊読んでもさっぱり見えてこないなあ。
131冊目(☆☆☆☆☆☆☆☆☆)


『BITTER×SWEET BLOOD』周防ツカサ
毎度毎度単発物の作品ばかり書く周防ツカサの新作。
今回のテーマは吸血鬼/恋愛/青春。
日の下でも特に問題なく過ごし、クリスマスにはミサに顔を出すような吸血鬼と、血を吸われたのに何故か記憶が残っている少女が主人公。
とはいえ実質的には吸血鬼という存在が二元的なものでしかない感じで、描かれるのは極普通な少女の日常というか思考というかコンプレックスというか。
相変わらず淡々とした文体と冷めたい雰囲気がなんとも美味しい良作でした。
132冊目(☆☆☆☆☆☆☆☆★)