傑作シリーズ

世界平和は一家団欒のあとに② 拝啓、悪の大首領さま』橋本和也
悪が栄えたためしがないということは、栄えなかった悪の構成要素が巷には溢れまくっているのと同意。
組織潰すのに幹部と親玉叩き潰したところで下級構成員皆殺しは無理があるし、怪しげな兵器なんかを開発でもしてた日には他の組織に奪われてよりステキに悪用される可能性もあるっちゃあるし。
んでもって、組織は潰したものの幹部どころか親玉すら生き残ってしまってる現状となればどうなるか。ファンタジー世界なら兎も角、現代社会においては普通に生きてこうとしたら色々とやらなきゃいけないこともある。それは学校生活だったり就職活動だったり親子喧嘩だったり家庭崩壊だったりエトセトラエトセトラ。
そんな現代社会に生きる、元悪の組織だった家族と、そんな組織を叩きのめした比較的正義側に位置する家族の一人である超絶お人よしヤンキー+αとの、とても心安らぐ傍迷惑な狂乱。
正義だろうが悪だろうが最終的に大事に思うものに大した違いはないし、そのために手段を問わず足掻いてみるのが人情ってなもんさね、ということを貫き通した傑作。
悪の親玉になんとなく憧れを覚えた過去のある少年少女は読んでて泣けるかも。
251冊目(☆☆☆☆☆☆☆☆☆★)

世界平和は一家団欒のあとに③ 父、帰る橋本和也
父親の偉大さについては前作でも延々と述べられていたわけだが、今回の場合尊敬はしているもののその偉大さは母親の惚気で伝え聞いたものでしかなく、自分の目から見たらただの女ったらしな若作りの親父でしかない、というところが問題が大きくなった理由の一つだったり。
かつて勇者だった父と王女だった母の友人である僧侶が唐突にこっちの世界に現れたことで始まった壮大すぎる親父vs子供連合による大喧嘩。
家族が何よりも大事と思う気持ちは同様だけど、それに付属する思いというか、そこに達するまでの年月/経験の差が巻き起こすこととなった物語をビッシリ一冊分。
友情/恋愛/家族愛、甘酸っぱい思い盛りだくさんの超傑作。
やっぱ親父ってのはとてつもなく高い壁じゃなきゃ燃えねえよなあ。
252冊目(☆☆☆☆☆☆☆☆☆★)