英雄誕生

『神無き世界の英雄伝②』鴨志田一
男女問わない感情とは思うが絶体絶命の戦況をたった一人の能力で覆してしまうような英雄的存在に対しては憧れの念を感じるのは当然である。
かつての俺にとって、それはつまり銀河一の無責任男であるところのウエキ・ジャスティ・タイラー閣下その人であった。
彼に出会ってからおよそ7年、彼の生涯を幾度と無く楽しんだものだが、彼はもうその物語を終えてしまった。
それから長らくスペースオペラ的な世界での英雄に出会うことがなかった俺ではあるが、このシリーズ、そしてこの巻において久しぶりにそんな存在に出会うことが出来た。
それこそがレン・エバンス、たった一人で幾人もの参謀を圧倒し人が到底敵いようが無いはずの能力を持つ電子妖精と同レベルの能力をみせ10倍もの艦隊を相手取り数百万人の味方の命を明日につないだ男。
物語としては登場人物多すぎ設定書き込みすぎで非常にわかりにくく正直解説本とまではいかないにせよ冒頭にキャラ名紹介と関連図ぐらい欲しいと思う感じではあるものの、手に汗握る状況からの起始回生の流れの素晴らしさは本当に楽しめた。
ラストのひきも見事な上になんともいえない設定まで後半に叩きつけてくる手法なんかは見事と言い切れる感じなので、今後も非常に楽しみである。
276冊目(☆☆☆☆☆☆☆☆☆★)