一気果敢

ネコソギラジカル<中> 赤き征裁VS橙なる種』西尾維新
最終章の中盤戦。
かねてより存在だけは匂わされつづけていたかつての親友にして”人類最終”であるところの想影真心の登場。
いーちゃんと真心との再開により崩れ始めた十三階段、そして”人類最悪”の目論見。
何もかもがうまくいかず想定外の方向にただただ移ろい続けていく状況。
毎月のように訪れる生命の危機に際して現れたのは鏡の向こう側たる人間失格
ってなんで真面目っぽくあらすじ解説してるんだよ俺、とセルフツッコミなんかいれつつ、物語は収束する影も見せずただひたすらに拡散し続けていく。
331冊目(☆☆☆☆☆☆☆☆☆)

ネコソギラジカル<下> 青色サヴァンと戯言遣い』西尾維新
丸々二年前。
当時23歳だった俺から見てまさしく同年代だったいーちゃんも気付けば二歳年下。
世界に対しての作者ではなく読者でしかないところの我が身なればこそ、物語に触れる度に受ける思いや印象が変わるのは当然とは思うのだけれども、かつての自分を思い返して今の俺が何か成長できているのかどうかが全くわかんねー現状を鑑みると、なんとも傑作だよなあという思いで一杯に。

さてこれは戯言シリーズを完膚なきまでに終わらせた最後の一冊であり、世界に対して自分を見失い続けた少年が自分を貫き続けながらも大人に成長を果たすに至った物語の終幕でもある。
常に成長し続けるなんてことは幻想でしかなく、所詮今日の自分は昨日の自分よりもほんのちょっと長生きしてるだけの同類項でしかない、というのが俺のスタンスではあるのですが、停滞し続けた末に成長することを選ぶのには途方も無い情念が必要なんだろうなあと考えさせられます。

そんなわけで完全無欠の戯言劇場、拍手喝采終幕でありました。
なんかもう、近頃の俺の現状にリンクしすぎて途方にくれるよなあ。
332冊目(☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆)シリーズ通算