電撃

『MAMA』紅玉いづき
人を食う魔物と少女の物語。
現実と幻想が入り混じったような世界の中の魔術が盛んな小さな国。
生まれつき大した魔力を持たぬ魔術師としては出来損ないの少女が数百年前に封じられた伝説の人食いと出会い、恐らく世界で一番風変わりな契約を結んだことに由来する”家族”の物語。
初っ端から中盤までの周囲のことを何一つ考慮しないヒロインの阿呆な行動に一瞬嫌気が差したが、読み進めるうちに俺の中で飲み干せたので問題なし。
前作のことは殆ど覚えてないので比較は出来ないが、物語としてはこっちのほうが優れていたのかもしれないなあと感じる。
中編と小編の二つで完結している一冊なのだが、遠い異国の御伽噺、というスタンスを取り続けた印象が非常に良い感じ。
今後もこういった御伽噺を紡いでもらいたい。
56冊目(☆☆☆☆☆☆☆☆☆)

オオカミさんと毒りんごが効かない白雪姫』沖田雅
ラブコメからエロコメへと順当な進化を遂げた現代の御伽噺。
相変わらず新キャラ続出/阿呆イベント多発/既存キャラの掘り下げ、などの短編で構成。
夏休みという一時期に同時多発的に事件に関わってる割に横のつながりが全くないってところは突っ込むべきなのかどうか多少悩むが本筋とは無関係なので良し。
順調にシリーズを重ねるにつれて成長したり進展したりする銀行の面々であり、完結の際はしっかりと終止符を打ってもらいたいものだが、まあ作者も言ってるようにそうすぐに終わる予定ではないみたいだから今後も楽しめそう。
元ネタがしっかりしてる分短編のオンパレードとはいえ毎回新しい試みがされてるので飽きがこないしねえ。
57冊目(☆☆☆☆☆☆☆☆☆★)

悪魔のミカタ666? モンストラムレッド』うえお久光
昔からそうだった気はするが、このシリーズ章が変わる度に急展開しすぎて処理しきれない。
今回は明らかに様々な事象が揺れ動き、ある程度のことは作中で明らかになっているもののその殆どは次回に据え置き。
とりあえず気になって仕方ないのが”眼鏡”なんだけれども。
後はまあ伏線張ってたかどうかすら覚えていないものの明らかに怪しい動きを見せてる大人たちとか、本編と関係あるようでないようで、でも恐らく次か次の次辺りでメインになるであろう文化祭についてだとか。
正直今後の展開幾ら推測したところで予想の斜め上をぶっちぎられるのは確定してるので黙って待ちぼうけますか。
58冊目(☆☆☆☆☆☆☆☆☆)

狼と香辛料7 Side Colors』支倉凍砂
シリーズ初となる短編集。
数百年以上前のホロを描く物語/1巻と2巻の間の買物/2巻と3巻の間の看病、の3篇。
最初のが中編クラスで最も番外的な作品なんだけれども、完全に本編から離れきった作品なのでホロという存在が同じだけの別物語といった感じ。
主人公はあくまでもあてもない旅路を歩む少年少女だし。
んで残りの二つは初々しさすら漂う初期のホロとロレンスのお話であり、こっちは普通に読んでて顔がにやけてきそうな出来。
特にこれまた初だがホロ視点で描かれる物語っていうのがなんともいえない程に美味しい感じ。
なんだかんだいっても人間を基準とした思考をとってすごしてるんだからこういう感じになるのも納得だよねえ。
59冊目(☆☆☆☆☆☆☆☆☆)