シナン

『シナン上』夢枕獏
東アジア辺りで凄かったらしい建築家のお話。
夢枕的表現多様で当然のように神について言及しまくりなのだが、当時の時代背景とか世界観がさっぱりわからないのでこれまでになくとっつき難い。
とはいえ異世界ファンタジーを何事もなく読める脳なので、その辺はノンフィクションめいた部分があることを忘却することで何とか対応する感じで。
読んでると必然的にその建築物が見たくなるのは俺のデフォルトということで。
132冊目(☆☆☆☆☆☆☆☆★)

『シナン下』夢枕獏
神書かしたら当代一だ。
やはり自身の筆力に只管に心酔できる人でなければ偉大なる存在を紡ぐことはできないのだろう。
第一にその題材たる偉大なる人物と建築物があって、そこから派生した思いや衝動を混ぜ合わせた結果がこの作品なのだろうが、下巻に入ってからの勢いは途方もないレベル。
世界情勢的やり取りは多少控えめになり人と人の暗部での争いや一つのことに生涯を費やす人間の輝きを描く部分が圧倒的に増大するが、そういった観念的な部分こそ夢枕獏の真骨頂。
今すぐ現地に飛びたくなるほどに活き活きした作品だった。
133冊目(☆☆☆☆☆☆☆☆☆)