鈴木光司

『生と死の幻想』鈴木光司
表題通りのテーマを備えた6編。
短いながらも上手い文章だが、ミステリ的ではなく淡々と面白い物語が紡がれている。
通して読むと一貫性が面白くもあり、一貫的過ぎて満腹にも感じる。
やはりこの作者は長編のほうが好みだ。
201冊目(☆☆☆☆☆☆☆☆)

『エール』鈴木光司
男と女それぞれの戦い。
理系的な部分は一切無くミステリ的要素もさっぱりなく、ただただ本能的衝動と社会的役割のために日々を過ごす男女の強さを描く。
文章は纏まっているしシナリオも起伏に富んでおり、安定した面白さのまま最初から最後まで一気に読めた。
最近仕事関係で疲れ気味な自分の現状も含めて、ちょいとセンチな感じに。
202冊目(☆☆☆☆☆☆☆☆☆)

『枝の折れた小さな樹』鈴木光司
俺の中での鈴木光司はホラー或いはミステリを巧みに操る作家という印象だったが、こうも少しだけドラマチックなだけの普通の物語を読み続けていくと、その印象が間違いだったんじゃないかという気がしてくる。日常の一瞬一瞬、或いは重ねていく内に現れるちょっとした違和感や変化を捉え、巧みに読者の心をくすぐってくるところが見事である。
203冊目(☆☆☆☆☆☆☆☆★)